はじめに
旅館や小さなホテルを経営していると、つい「新しいお客様をどうやって集めようか」ということにばかり頭を悩ませがちです。もちろん新規のお客様は大切ですが、実際に経営を安定させてくれるのは「リピーター(常連のお客様)」です。
この記事では、リピーターがなぜ経営を安定させるのか、どうやって増やしていくのかを、わかりやすく解説します。

リピーターが宿経営を安定させる4つの理由
1.集客コストがかからない
新規客を呼び込むには広告費や予約サイトの手数料がかかります。
一方、一度泊まって満足してくださったお客様が再び訪れる場合、広告費はゼロ。電話やハガキ、メールの案内だけで十分です。
リピーターは「ほとんどコストがかからないお客様」と言えます。
2.売上の柱になる
新規客は景気や天候に左右されやすく不安定です。
しかし、毎年同じ季節に来てくれる常連さんがいれば、最低限の売上は確保できます。
「今年も○○さんのグループが予約してくれた」といった積み重ねが、経営の下支えになるのです。
3.口コミが広がりやすい
リピーターはお気に入りの宿を自然と人に紹介します。
「いつも泊まっている旅館があってね」と友人に伝えるのはごく普通のこと。
実際に、リピーター同士の紹介リレーで売上の半分以上をまかなうようになった民宿の事例もあります。
4.おもてなしの質が上がる
常連のお客様なら好みを把握できるため、きめ細やかな対応が可能です。
「お酒よりお茶がお好きだったな」「今回は洋室をご案内しよう」など、小さな心配りが「覚えてくれている安心感」につながり、さらにリピートしていただけます。

リピーターを増やすための具体的な工夫
お礼状やニュースレターを送る
宿泊後に「ありがとうございました」の一言を伝えるだけで印象は大きく違います。
手書きの一筆を添えると、さらに喜ばれます。
季節の便りを届ける
「桜が咲き始めました」「新米の季節です」など、季節を感じるDMやメールは「また行きたい」と思わせるきっかけになります。
会員制度や特典を用意する
「2回目から割引」「会員限定プラン」など、特典があれば再訪の動機づけになります。
思い出を共有する
宿で撮った写真をアルバムにして差し上げたり、SNSに掲載したりすると「また思い出を作りに行こう」と思っていただけます。

まとめ
新規客を集めることも大切ですが、宿経営を安定させるのはリピーターです。
- 広告費がかからない
- 売上の柱になる
- 口コミが広がる
- おもてなしの質が上がる
これらのメリットを活かして「今年もまた来てくださるお客様」を増やすことが、宿の未来を明るくする一番の近道なのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
日々のおもてなし、本当にご苦労さまです。
どうぞご自愛のうえ、これからも素敵なお宿づくりを続けてください。
皆さまの宿が、たくさんの笑顔と再会に満ちた「千客万来のお宿」になりますように。

