【利益率改善-2】客に抵抗させない「3段構え」の魔法・・・利益率を最大化する価格構成の作り方

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こんにちは。販促コンサルタントのRyoukanです。

前回、私は宿泊料金の一律10%値上げを提案しました。しかし、ただ単に「5月から1,000円上がります」という通知を出したわけではありません。それでは単なる「値上げ」であり、お客様には「損をした」という感情だけが残ってしまいます。

私がとった戦略は、メニュー表(料金体系)を「3段構え」に再構築することでした。

顧客の心理的ハードルを消す「松竹梅」の再設計

スモールビジネスのオーナーさんが最も恐れるのは、「高い」と言われることです。しかし、高いか安いかは絶対的な数字ではなく、「何と比べているか」という相対的な感覚で決まります。

私は、これまでの定番メニューを「A」とし、その上下に意図的な選択肢を配置しました。

【松】C料金:豪華・地元産品尽くしの新メニュー(高単価)
【竹】A料金:これまでの看板料理(10%値上げ)
【梅】B料金:内容を一部変更し、価格を維持したメニュー(安価)

この構成に変更してメニュー表を差し替えた結果、何が起きたと思いますか? 驚くことに、10%値上げしたはずの「A料金」が、何の抵抗もなく、むしろ「一番の売れ筋」として受け入れられたのです。

これはお寿司屋さんのメニュー構成のやり方を参考にしたものです。

お寿司屋さんのメニュー

なぜ、10%アップが「普通」に見えるのか

これには、行動経済学でも証明されている明確なロジックがあります。

もし選択肢が「値上げしたA」しかなければ、お客様の視線は「過去の価格(安かった頃)」に向きます。しかし、上下に選択肢を作ると、お客様の視線は「今、目の前にある3つの比較」に移ります。

上位のメニュー(C)があることで、定番(A)が「意外と手頃だな」というアンカリング効果が働きます。

据置(B)があることで、「最安値を選びたくない(少し贅沢したい)」という心理が働き、真ん中のAが選ばれる妥協効果が生まれます。

ここで重要なのは、地元客のために「B(据え置き)」という逃げ道を作っておいたことです。価格に敏感な層には「安く済ませる選択肢」を残し、贅沢をしたい観光客には「最高の選択肢(C)」を用意する。この「選べる自由」があることで、お客様は納得感を持って財布を開くのです。

30年選手の直感:Bは「売るため」のメニューではない

ここが販促の面白いところです。私はこのメニュー表を作るとき、実は「B」をたくさん売ろうとは思っていませんでした。Bの役割は、あくまで「Aを安く見せ、値上げの不満を吸収するためのクッション」です。

逆に「C」は、その宿の「シーズ(強み)」をこれでもかと盛り込んだシンボルとして作りました。「せっかくここまで来たなら、これくらい食べたいよね」と思わせる看板です。

経営側の「利益を上げたい」という意図(シーズ)と、お客様の「損をしたくない、でも満足したい」という欲求(ニーズ)。この両極を戦わせた結果、導き出されたのがこの「3段構え」でした。

松竹梅の価格構成

「即席」で作るからこそ、ロジックが命

私は基本的なデザインも自分で行いますが、レイアウトを組む前にこの「心理的配置」を頭の中で瞬時に組み立てます。どの価格を一番目立たせるか、どこに視線を誘導するか。それが決まれば、チラシなどの販促ツールは短時間で作れます。

さて、この3段構えの中で、最も重要な役割を果たしたのが「松(C)」の存在です。単に「松」と呼ぶのではなく、私はあるネーミングを授けました。

次回は、第3回「ネーミングの魔力」へ続きます。価格の壁を一瞬で壊す「ネーミングの魔力」についてお話しします。

【今回の販促の格言】

「値上げは『通知』するな。新しい『選択肢』として再提案せよ」

Ryoukan

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
日々のおもてなし、本当にご苦労さまです。
どうぞご自愛のうえ、これからも素敵なお宿づくりを続けてください。
皆さまの宿が、たくさんの笑顔と再会に満ちた「千客万来のお宿」になりますように。

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