こんにちは。販促コンサルタントのRyoukanです。
5回にわたってお届けしてきた「利益率改善の物語」、いかがでしたでしょうか。宿泊代の10%値上げから始まり、3段構えの価格構成、そして「八戸尽くし」というネーミング。これらはすべて、バラバラのテクニックではなく、一つの太い軸でつながっています。
最終回となる今回は、販促コンサルタントとして私が30年間、現場で守り抜いてきた「販促の考え方」をお伝えします。
販促は「後出しジャンケン」でいい
多くのオーナーさんが、「何か新しいこと、奇抜なことをしなければ」と頭を悩ませます。しかし、本当の販促とは、すでにあるものの中に眠っています。新しい方向性を模索するのではなく、従来持ち合わせている潜在的な資産を活用することです。
私が八戸の宿で、料理長や営業スタッフと意見を戦わせながら宿泊代を上げたとき、新しく特別な仕入れを増やしたわけではありません。そこにあったのは、
宿が守ってきた「品質」というシーズ(提供品)
お客様が求める「旅の特別感」というニーズ(欲求)
この二つを、現代の尺度で正しく「再定義」しただけなのです。
販促とは、経営者の「思い(シーズ)」を、お客様の「満足(ニーズ)」に翻訳する作業です。この翻訳が正確であればあるほど、価格を上げてもお客様は「ありがとう」と言ってくださいます。

AIにはできない、経営者の「覚悟」の言語化
最近はAIがチラシのキャッチコピーを作ってくれる時代になりました。しかし、AIにはどうしても書けないことがあります。それは、経営者であるあなたの「覚悟」です。
「この料理で、お客様を絶対に満足させる」
「この価格をいただく以上、このサービスは譲れない」
この泥臭い、人間味あふれる覚悟こそが、スモールビジネスにおける最強の販促資源です。私が「マーケティングからデザインまでを瞬時に組み立てる」ことができるのは、単にツールに慣れているからではありません。経営者の方と対峙したとき、その方の「覚悟」を瞬時に見抜き、それを言葉と色や形に置き換えているからです。

販促を「救急箱」のように使ってほしい
私のブログを通じてお伝えしたかったのは、販促は決して難しい学問ではないということです。
〇顧客が商品選択に際して何と比較しているかを知る(第1回)
〇顧客の心理的な価格の選択肢を整える(第2回)
〇事実に基づいた戦略的な名前(ネーミング)を付ける(第3回)
〇迷わせない購入までの案内地図(デザイン)を作る(第4回)
このステップは、明日からでも、手書きのPOP一枚からでも始められます。売上が落ちたとき、利益を上げたいとき、この連載があなたの商売の「救急箱」として役立つことを願っています。

30年の経験を、あなたの力に
データだけを見て形を作るのではなく、経営側の意図を深く汲み取り、最大の顧客反応を引き出す。その「シーズとニーズを戦わせて融合させる」プロセスこそが、販売促進の真髄です。
スモールビジネスのオーナーは、孤独です。しかし、あなたの「シーズ」は、価値を生み出す「金の卵」です。その見つけ方、磨き方がわからなくなったときは、いつでもこの「繁盛記」を読み返してみてください。
私の現場経験は、すべてあなたの味方です。
さあ、明日の朝、まずはレジ横の一枚のメッセージカードから変えてみませんか?
5回にわたるご愛読、誠にありがとうございました。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。
日々のおもてなし、本当にご苦労さまです。
あなたの宿が、たくさんの出会いと再会に満ちた「千客万来のお宿」になりますように。
どうぞご自愛のうえ、これからも素敵なお宿づくりを続けてください。
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