年末年始は、お客様にとって一年を締めくくり、新しい年を迎える特別な時間です。
「今年のお正月は、温泉でゆっくりしたいね」
「家族みんなで集まれる宿を探そうか」
そんな相談が始まったとき、候補に挙げてもらえるように、
宿も早めに準備を進めたいものです。
今回は、私が以前お世話になったホテルでの体験を交えながら、
年末年始の宿泊プランづくりと予約のご案内について考えてみましょう。
「また来たい」と思っていただくことが、次の予約につながる
そのホテルでは、年末年始にお泊まりになったお客様の7~8割が、
翌年の予約をしてくださっていました。
毎年同じ時期に訪れ、いつものように過ごす。お客様にとって、
そのホテルで迎えるお正月が、年中行事の一つになっていたのでしょう。
この経験から感じるのは、翌年の集客は、目の前のお客様に喜んで
いただくことから始まっているということです。
料理やお風呂はもちろん、スタッフとの会話や、家族で参加した催しも
思い出になります。
「来年もここで過ごしたいね」という気持ちを育てることが、
次の予約につながるのだと思います。

料理と催しで、お正月らしい過ごし方を用意する
そのホテルでは、年の暮れにはおせち料理と年越しそばを用意していました。
元旦には、お客様と一緒に餅つきを行い、お雑煮やお神酒をふるまいながら、
朝食を楽しんでいただきました。
「よいしょ!」という掛け声や、お客様同士の笑顔。こうした場面があると、
館内にも自然とお正月らしい雰囲気が生まれます。
また、海沿いのホテルでしたので、希望者を募り、初日の出の参拝ツアーも
実施していました。立地を生かした、その宿ならではの楽しみです。
企画を考えるときは、行事をたくさん並べるよりも、
「お客様にどんな時間を過ごしていただきたいか」を先に考えてみましょう。
家族でにぎやかに楽しむお正月なのか、夫婦で静かにくつろぐお正月なのか。
それによって、料理や催しの組み合わせも変わってきます。

予約開始前に、現場で実施できる内容を整える
プランの内容が決まったら、料金や販売する客室数、料理、催しの時間を整理します。
餅つきをするなら、担当者や会場、衛生面への配慮に加え、
お餅を安全に召し上がっていただくための対応も必要です。
初日の出ツアーなら、移動手段や防寒のご案内、
悪天候の場合の対応まで考えておきます。
調理場、フロント、接客担当で内容を共有し、「予約を受けたけれど、
現場では対応できない」ということがないようにしたいですね。
予約開始日と受付方法、キャンセル規定もそろえておくと、
お客様へのご案内がスムーズになります。

過去のお客様へのご案内と、地域への告知を組み合わせる
先ほどのホテルでは、残りの2~3割ほどの予約を埋めるために、
過去の宿泊記録を確認してDMを送ったり、地元のフリーペーパーに
広告を掲載したりしていました。
以前ご利用いただいたお客様には、「今年も年末年始のご予約受付を始めました」と、
思い出していただくきっかけを届けます。
DMには料金や日程だけでなく、料理や元旦の催しなど滞在の楽しみも添えましょう。
地域向けの広告では、「家族が集まるお正月を、宿でゆっくり」といった
利用場面が伝わると、自分たちの過ごし方として考えていただきやすくなります。
ホームページやSNSでも同じ内容を案内し、予約先を分かりやすく
掲載しておきたいところです。

来年につながるお正月を、今年の準備から
年末年始の宿泊プランは、客室と料理に、お客様の思い出に
なる時間を添える企画です。
まずは昨年の記録を開き、お客様に喜ばれたことや、
現場で困ったことを振り返ってみませんか。
その積み重ねが、今年の予約を支え、
来年の「また来ますね」につながっていきます。
Ryoukan

最後までお読みくださり、ありがとうございました。
日々のおもてなし、本当にご苦労さまです。
あなたの宿が、たくさんの出会いと再会に満ちた「千客万来のお宿」になりますように。
どうぞご自愛のうえ、これからも素敵なお宿づくりを続けてください。
