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販促室から見た食品ロスの視点                   ~原価率の問題は、調理部だけでは解決できない~

食材ロスの話

販促の現場シリーズ4◆「販促室なのに、なぜ食材ロスの話?」

そう思われるかもしれません。

確かに食材の仕入れや在庫管理は調理部門の仕事です。
しかし、ホテルや旅館の経営という視点で見ると、販促も調理も「利益を生み出す」
という同じ目的を持っています。

そのため、原価率やコスト管理の課題は、決して調理部だけの問題ではありません。
今回は、私がホテルの販促室で働いていた頃に感じた「食材ロス」についてお話しします。

原価率が上がると、調理長だけが責任を負う構図

原価率の負担を引き受ける料理長

多くの宿では、調理長が食材を仕入れ、経理部が原価率を管理するという流れになっています。

営業会議で原価率が高いという話になると、

「調理長、もう少し原価を下げられませんか?」
という一言で済ませているケースも少なくありません。

その結果、冷蔵庫の奥で賞味期限が切れた食材が見つかり、
誰にも知られないように処分される——そんな光景も珍しくありません。

しかし、これでは本当の意味での改善はできません。

仕入れ部門を設置しても改善しなかった理由

私が勤務していたホテルでは、この状況を改善するために、
調理部とは別に仕入れ担当を設けるという取り組みが行われました。

調理長の負担は軽くなりましたが、期待したほど原価率は改善しませんでした。

その理由は、調理部以外では見えにくい「二つの要因」があったからです。

① 品切れを防ぐための「安全在庫」

料理が不足することは、お客様満足を大きく損ないます。

そのため調理部では、どうしても少し多めに食材を仕入れる傾向があります。

問題は、その余った食材を別メニューへ活用したり、
翌日の献立に組み込んだりする仕組みがなければ、そのままロスになってしまうことです。

② 「競合に負けるな」というプレッシャー

営業部門からは、

競合より豪華に見せたい
ボリュームで負けたくない
写真映えする料理を作ってほしい

という要望が出ます。

調理長としては、その期待に応えようとするため、
食材の質や量を増やしがちになります。

料理原価

一方で経営からは、「原価率を下げてほしい」と言われます。

「競合に負けるな」
「もっと良い料理を」
「でも原価は下げて」

これでは調理長が板挟みになってしまうのも無理はありません。

食材ロスは調理部だけの責任ではない

私は、この問題は調理部だけで解決できるものではないと考えています。
帳簿上の原価率には、実際にお客様へ提供した料理だけでなく、
廃棄された食材も含まれています。

だからこそ、どれだけが食材ロスなのか

どれだけが意図的な品質向上のためのコストなのか
この二つを分けて見える化することが重要です。

数字として共有できれば、感覚ではなく事実をもとに
改善策を考えられるようになります。

全社で取り組む仕組みづくりが必要

豪華な料理の原価は?

改善のためには、調理部だけに負担をかけるのではなく、
全社で支える仕組みが必要です。

例えば、

・タブレットなどのデジタルツールで予約状況をリアルタイムに共有する

・予約数の変化に応じて仕入れ量を調整できる環境を整える


・総務部や経理部が仕入れ業務を一部兼務し、調理長の負担を分散する


・ロス食材を活用するルールを整備する

こうした取り組みが、結果として原価率の改善にもつながります。

販促室から見えた本当の課題

販促室にいると、「もっと豪華な料理に」「もっと魅力的な写真に」
という要望を出すことがあります。
しかし、その一言が現場では食材コストの増加につながっていることも少なくありません。

だからこそ販促部門も、「売上を伸ばすこと」だけではなく、
「利益を残すこと」まで考える必要があります。

ホテルや旅館の経営は、どこか一つの部署だけでは成り立ちません。
営業、販促、調理、経理、総務—
—それぞれが同じ数字を見て、同じ目標に向かって取り組むこと。

それこそが、持続的に利益を生み出せる宿づくりにつながるのではないでしょうか。

Ryoukan

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最後までお読みくださり、ありがとうございました。
日々のおもてなし、本当にご苦労さまです。
あなたの宿が、たくさんの出会いと再会に満ちた「千客万来のお宿」になりますように。
どうぞご自愛のうえ、これからも素敵なお宿づくりを続けてください。

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