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最終回、「買う理由」をお客様に伝える方法

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「買う理由」第6回

ホームページ・OTA・SNSで宿の魅力を予約につなげる

「料理がおいしい宿です」
「ゆっくりくつろげる温泉旅館です」
「地元の食材を使った会席料理をご用意しています」

どれも宿の魅力を伝える言葉ですが、これだけでお客様は
「この宿に泊まりたい」と思ってくれるでしょうか。

お客様が知りたいのは、料理や温泉があるという事実だけではありません。
「この宿に泊まることで、自分はどんな時間を過ごせるのか」
ということです。

これまでのシリーズでは、自館の強みを見つけ、ターゲットを決め、
その強みを宿泊プランに変える方法を考えてきました。

最終回となる今回は、完成した宿泊プランの魅力をお客様に伝え、
実際の予約につなげる方法をご紹介します。

宿の特徴を「お客様が得られる価値」に変える

宿の魅力を伝えるとき、最初に考えたいのが「宿の特徴」と
「お客様が得られる価値」の違いです。

例えば、次のような特徴を持つ旅館があったとします。

・地元の旬の食材を使った会席料理
・貸切風呂がある
・客室数が少なく、静かな環境
・チェックアウトは午前11時

これらは、宿泊施設の設備やサービスを説明したものです。

もちろん大切な情報ですが、お客様にとっての価値が伝わるように
表現を変えてみましょう。

お客さまが得られる価値

宿の特徴を「買う理由」に変える

●宿の特徴
地元の旬の食材を使った会席料理

●お客様が得られる価値
「その土地ならではの旬の味覚を、旅の思い出とともに楽しめる」

●宿の特徴
貸切風呂がある

●お客様が得られる価値
「ご夫婦やご家族だけで、気兼ねなく温泉を楽しめる」

●宿の特徴
客室数が少なく、静かな環境

●お客様が得られる価値
「日常の慌ただしさを忘れて、静かな時間を過ごせる」

このように、宿の特徴をお客様の立場から言い換えるだけで、伝わり方は変わります。
大切なのは、設備やサービスを説明することではなく、「その宿に泊まると、
どんないいことがあるのか」を伝えることです。

ただし、実際に提供できない体験やサービスを約束してはいけません。
自館の本当の魅力を、お客様に分かりやすい言葉で表現しましょう。

特徴を買う理由に変える

「誰に伝えるのか」で言葉と写真は変わる

同じ宿泊プランでも、ターゲットによって魅力を感じるポイントは異なります。

例えば、貸切風呂と地元食材の会席料理を楽しめる宿泊プランがあったとします。
40~50代のご夫婦に向けて案内する場合と、小さなお子様を連れたご家族に向けて

案内する場合では、伝えたい内容が変わります。

●40~50代のご夫婦
伝えたい価値:二人だけの時間、落ち着いた食事、日常からの解放
「たまには二人で、何もしない贅沢を。貸切温泉と旬の会席料理を楽しむ、
大人の休日。」

●小学生のお子様を連れたご家族
伝えたい価値:家族の思い出、周囲に気兼ねしない入浴、家族団らん
「家族みんなで温泉旅行。貸切風呂でゆっくり過ごす、笑顔いっぱいの休日。」

●シニアのご夫婦
伝えたい価値:ゆとりある滞在、季節の料理、落ち着いた宿の雰囲気
「旬の味覚をゆっくり味わい、温泉でくつろぐ。ご夫婦で楽しむ、心豊かな温泉旅。」

写真も同様です。

ご夫婦向けなら落ち着いた客室や二人で楽しむ食事の写真、ご家族向けなら家族で
過ごせる客室や貸切風呂の写真が、宿泊中の様子を想像する手助けになります。

「誰に、どんな時間を過ごしてもらいたいのか」
この問いを明確にしてから、言葉と写真を選ぶことが大切です。

料理をだれに提供するか

ホームページ・OTAでは「選ぶ理由」を最初に伝える

宿を探しているお客様は、ホームページやOTAで複数の宿を比較しています。
そのとき、宿の魅力がすぐに分からなければ、ほかの宿へ移ってしまうかもしれません。
そこで重要なのが、宿泊プランのタイトル、最初の写真、冒頭の紹介文です。

例えば、秋の会席料理を中心にした宿泊プランを考えてみましょう。

●一般的なプラン紹介
秋の味覚プラン 1泊2食付き
地元食材を使用した会席料理と温泉をお楽しみください。

●買う理由を伝えるプラン紹介
秋の味覚を楽しむご夫婦の温泉旅|旬の会席料理と貸切風呂で過ごす休日
「秋の旬を味わいながら、ご夫婦でゆっくり過ごしませんか。
地元の味覚を取り入れた会席料理と、二人で楽しめる貸切温泉をご用意しました。」

後者では、誰に向けたプランなのか、どのような体験ができるのかが伝わりやすくなります。
また、料理の写真を掲載する場合は、実際に提供する料理を撮影することが基本です。
季節限定の料理であれば、食材の仕入れ状況によって内容が変わることも案内しておきましょう。

OTAの考え方

ホームページとOTAで押さえたい3つのポイント

① 最初の写真で宿泊体験をイメージさせる
料理が魅力なら料理写真、眺望が魅力なら客室からの景色など、
プランの中心となる価値を写真で伝えます。

② タイトルで「誰に・何を」を伝える
「1泊2食付き」だけではなく、「ご夫婦で楽しむ秋の美食旅」など、
対象となるお客様と体験を具体的に表現します。

③ 予約に必要な情報を分かりやすく整理する
料金、食事内容、利用条件、宿泊期間、予約方法などを明記し、
お客様が安心して予約できるようにします。

ホームページでもOTAでも、最初に「泊まりたい」と感じてもらい、
その後に必要な情報を確認できる構成を心がけましょう。

OTAで押さえておきたいポイント

チラシや館内POPでは「ひとつの魅力」に絞って伝える

チラシや館内POPには、伝えたいことをたくさん詰め込みたくなるものです。

料理、温泉、客室、料金、周辺観光など、すべてを紹介しようとすると、
何を一番伝えたいのか分からなくなってしまいます。
そこで、チラシでは中心となる「買う理由」をひとつ決めましょう。

例えば、秋の会席料理を販売するチラシなら、料理の魅力を中心に構成します。

チラシの構成例

秋の味覚を、温泉宿でゆっくりと。
ご夫婦で楽しむ 秋の美食宿泊プラン

旬の味覚を取り入れた会席料理と、心ほどける温泉のひととき。
秋ならではの休日をお楽しみください。

実際のチラシには、宿泊期間・料金・料理内容・予約先などを掲載します。

ご予約・お問い合わせ
電話番号・ホームページ・予約用QRコード

チラシの役割は、宿のすべてを説明することではありません。
まず興味を持ってもらい、詳しい情報の確認や予約という次の行動につなげることです。

館内POPであれば、宿泊中のお客様に次回の季節プランや記念日プランを
案内する方法もあります。

ひとつに絞る

SNSでは「泊まったときの気持ち」を想像してもらう

SNSでは、料理や客室の写真を掲載するだけでなく、
お客様が宿で過ごす時間を想像できる投稿を心がけましょう。
例えば、秋の会席料理の写真を投稿する場合です。

●一般的な投稿
「秋の会席料理が始まりました。皆様のお越しをお待ちしております。」

●買う理由を伝える投稿
「秋の夜長、ご夫婦でゆっくり食事を楽しみませんか。
旬の味覚を取り入れた会席料理と温泉で、日常を少し離れたひとときを。
秋限定の宿泊プランをご用意しました。
詳しい内容はプロフィールのホームページからご覧いただけます。」

後者では、料理の紹介だけでなく、誰がどのような時間を過ごせるのかを伝えています。
また、SNSでは一度の投稿ですべてを説明する必要はありません。

料理を紹介する投稿、温泉を紹介する投稿、客室での過ごし方を紹介する投稿など、
ひとつの宿泊プランをさまざまな角度から伝えることができます。

そして、興味を持ったお客様が迷わず予約ページに進めるよう、
プロフィールや投稿からの案内を整えておきましょう。

SNSの役割は、単に写真を見てもらうことではなく、
「行ってみたい」という気持ちを育てることです。

SNSの告知方法

「買う理由」を予約につなげるための最終チェック

ここまで、ホームページ・OTA・チラシ・SNSでの伝え方をご紹介してきました。

最後に確認したいのは、宿泊プランの魅力を知ったお客様が、
実際に予約できる状態になっているかどうかです。

せっかく魅力的なプランを作っても、料金や予約方法が分かりにくければ、
予約をためらってしまうかもしれません。

次の項目を確認してみましょう。

予約につなげる8つのチェック

1,誰に向けた宿泊プランなのかが明確になっている
2,タイトルやキャッチコピーで宿泊する価値が伝わる
3,写真から宿泊中の過ごし方を想像できる
4,料理・温泉・客室などの紹介内容が実際のサービスと一致している
5,料金・宿泊期間・利用条件が分かりやすい
6,ホームページやSNSから予約ページに迷わず進める
7,スマートフォンでも写真・文章・予約ボタンが見やすい
8,電話や問い合わせへの対応をスタッフ間で共有している

特に、小規模なホテル・旅館では、ホームページやOTAの情報を
掲載したままにせず、季節や宿泊プランの変更に合わせて見直すことが大切です。

また、予約数だけでなく、どのプランが選ばれているのか、
どの写真や紹介文を変更したのかを記録しておくと、次の改善に役立ちます。

予約につなげる8つの✓

今日からできる5分間の実践ワーク

まずは、自館で現在販売している宿泊プランをひとつ選んでください。
そして、次の4つの質問に答えてみましょう。

●自館の「買う理由」を整理しよう

① 誰に泊まってほしいですか?
② そのお客様は何を求めていますか?
③ 自館はどんな体験を提供できますか?
④ その魅力をひと言で伝えるなら?

記入した内容をコピー

4つの答えがまとまったら、現在のホームページやOTAの宿泊プラン紹介と
比べてみましょう。
自館が伝えたいことばかりになっていないでしょうか。

お客様が「この宿に泊まりたい」と思える理由が、
言葉や写真から伝わっているでしょうか。

まずは宿泊プランのタイトルや最初の紹介文をひとつ改善するところから
始めてみてください。

買う理由はお客様の立場で考える

まとめ|「買う理由」は、お客様の立場で考えることから始まる

全6回にわたって、「選ばれる宿になる『買う理由』の作り方」をご紹介してきました。

●「買う理由」を作る6つのステップ

第1回|特徴だけでは売れない
宿の特徴を、お客様が選ぶ理由に変える。

第2回|お客様が宿を選ぶ理由を考える
お客様の立場から、宿泊に求める価値を理解する。

第3回|自館の強みを見つける
自館ならではの魅力や、他館との違いを整理する。

第4回|ターゲットを明確にする
誰に選ばれたいのか、どのような滞在を求めているのかを考える。

第5回|強みを宿泊プランに変える
ターゲットと自館の強みを組み合わせ、選ぶ理由のある商品を作る。

第6回|買う理由をお客様に伝える
言葉と写真で宿泊体験を伝え、予約につなげる。

小規模なホテル・旅館が、設備の新しさや客室数の多さだけで、
大規模な宿泊施設と競争する必要はありません。

小さな宿だからこそ提供できる、静かな時間、地域ならではの料理、
家族的なおもてなしなど、自館にしかない魅力があるはずです。

その魅力を見つけ、求めているお客様に届けること。
そして、お客様が宿泊することで得られる体験を、
分かりやすい言葉と写真で伝えること。

「この宿には、私が求めている時間がある」
そう感じてもらえることが、数ある宿泊施設の中から
自館を選んでもらう第一歩になります。

ぜひ、今回のシリーズを参考に、自館の「買う理由」をもう一度見直してみてください。
小さな宿ならではの魅力を、これからの集客に生かしていきましょう。

Ryoukan

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